もしかして、仲良し

「なぜおれがあいつの下に……そうかジンベエ、てめェもか……!」 怒りのあまり発火しているサンジを、ジンベエは不思議そうに眺めた。何をそれほど怒り狂っているのか理解できないでいたのだ。 「大丈夫かサンジどうした?」 すると...

【歳の差シリーズ】天の川渡り (R18)

サンゾロ真ん中Birthday2022に寄せて書いた「天の川渡り」が続いてしまいシリーズとなりました。チャラサ(若干クズ)ですが彼は本当は一途なのでした…歳の差サゾもおっさんじも初めて煎じさせていただきました笑 話の時系...

大秘宝

ラフテルが近いらしい。 この船の美人航海士が言うことには、ログポースの指す次の島こそがいよいよ最終目的地、ラフテルなのだという。改めてそう言われると、いよいよ到着かと胸が躍る。まだ一つひとつ思い返すのは早い気もするが、け...

雛鳥は三度瞬く

現パロ、全年齢。シリーズ全8話。北の国幼馴染の二人は、高校を卒業し、サンジは料理人になるための修行に東京へ旅立つが・・・2023.8.  「まいにちのうた」を追加しました。 

それまで、死ぬなよ

片脚に炎を纏い、軽々と宙を翔んだかと思うと、重金属のような重い衝撃を敵に見舞う。その振動で左耳の三つの金属がチラチラと揺れた。背中越しに立て続けに響く、数段進化した技の豪勢なフルコース。 その力を何と引き換えにして来やが...

必ず戻れ

出港の時間が近づいていた。 「淋しくなるねえ」「いつ帰ってくるの?サンジお兄ちゃん」「いつかなあ、お前らがもっとデカくなったらかな」「えー、嫌だ!デカくなっちゃったらサンジお兄ちゃんに抱っこしてもらえなくなるじゃん!」「...

星の泉

血の跡を見つけたのは、小一時間ほど歩いた林の中の小径だった。 辛うじて人ひとりが歩けるほどの細い獣道の足元に点々と、滴り落ちた赤黒い跡が続く。それを追って、遮るように伸びる枝を手折りながらサンジは焦りを感じていた。辿って...

心臓に棲む

普段の些細な喧嘩は、日常会話のようなものだ。あァ?と威嚇されれば倍にして返すのはもはや礼儀ってもんだと思っている。けれど昨夜は少し言い過ぎた。きっかけはもう覚えちゃいないが、何故かヒートアップした言葉の応酬は奴を本気で怒...

第六感

突然、ドドーンという大きな音が響いて顔を上げた。上の部屋の奴が何事かやらかしたのか、それとも雷鳴? 近所で爆発? 急いで窓を開けてベランダに出てみると、東の方角にチカチカと輝くものがある。 「何だあれ…?」 サンジは不思...

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