恋という名の絶望 (R18)

それは、ただの処理だった。 お互いに合意の上で、それ以上のことは望んでいなかった。 何かを欲しいと思った事はある。でもひとりの人間が対象だったことはない。 それなのに。 満たされない。 渇きは、ひどくなる一方だ。 ⭐︎ ...

蓋し夜の果て

虎の目の前で、扉が開いた。 虎は、扉を開けた主をじっと見つめた。一歩、前足を進めるか逡巡した。どうにも間合いを計りかねる。此処への道中、何度もぬかるみを踏みしめて来たせいか、濡れた体毛がまとわりつくせいか、足元が不安定だ...

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