キャパオーバー

サンゾロマンスリーお題「呑みデート」に寄せたものです。 「取り敢えず、飲まねェ?」  話を切り出す場所を考えあぐねていたもんだから、こいつの軽いノリの誘いは好都合だった。 こいつには理解できる話じゃない事は分かってた。こ...

エーリュシオン

2025サンゾロ週間で書いたSS。海賊、つかの間の陶酔。  船尾近くの甲板のへりに、その男は柵にもたれて立っていた。悠然と、両肘を柵の上に預け、片足を交差させて。 その男に向かっておれが一歩一歩近づくと、すぐに察してこち...

秘花―Another Story-

サンジ視点の「秘花」。その後のエピソードも少し……(前話「秘花」を読んでからお読みくださいね!)  その男は、確かに異質な存在だった。  レディと一緒に最初に店に来た時のことは正直言って印象にない。女連れの野郎については...

秘花

ゾロの片恋シリーズにて書いたサンゾロです。現パロ。  いつもの道を歩く。  薄紅の帳が一帯に降りる頃。住宅地の途切れた辺り、耕すのを忘れられた荒れ田を過ぎ、立ち入り禁止の看板が立つ溜池の鉄柵が並ぶ道を通り抜けると、放置さ...

既刊本について

今まで出したサンゾロ本です 2022 「王子と奴隷」ある国の第三王子と、そこに専属として連れてこられた奴隷。少年期に出会った二人が大人になり…という好き勝手な世界観で書いたお話です。R18。このお話は少年期と大人期に分か...

コペルニクス的転回

2024年の真ん中バースデーに寄せて書いたものです。一応海賊。  身動きが取れない。 そんなことはこれまでも幾たびかあった。足元からろうで固められたり、大げさに包帯で全身をぐるぐる巻きにされたり。 けれど今回のはちと話が...

KEY

現パロ。定番の番号ネタだと思いますが煎じてみた  失態に気づいたのは改札に入る直前だった。スマホの在りかは間違いなくこの借り物のキャリーケースの中だ。 急いで開けようとして、とんでもない事態であることを認識した。 よりに...

闇と凪

海賊、WCIを経た後くらい。これはあの時のサくんの心の傷を感じ取ることのできるゾ。  あのぐる眉が黙って静かでいる時に、何を考えてやがるのかおれは知らない。知る気もない。大抵はメシの事か女の事か、どっちかしか無いだろうと...

真っ赤な真実

海賊。ゾ誕の宴の後のお話です。  今年も唐突にその日はやってきた。去年と同じように、いや何か去年以上に宴は当人のおれを差し置いておおいに盛り上がり、スッカラカンの皿の間にこれでもかと散らされたクラッカーの色とりどりの紙テ...

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